BIODIVERSITY
2021.6
東山動植物園 広報パートナー ブラザー
PROJECT概要
東山動植物園の動植物の種は多く、ゴリラやコアラなどの人気動物のほとんどが絶滅危惧種です。その原因にはヒトが大きく関わっています。開発・乱獲・汚染等、ヒトが豊かさを求める活動の影響で、地球上では、今後数十年で100万という種が絶滅すると言われています。その事実を伝える身近な接点が動植物園であり、「種の保存」「環境教育」「生息地保全」の役割を広く伝える必要があります。しかし市の公共施設であり、広報予算は限られています。ブラザーが「広報パートナー」となり、広告物制作・媒体発注・イベント実施などの「広報物の寄贈」を行うことで、幅広い広報展開が可能に。行政施設と民間企業の新しいパートナーシップです。
CLIENT:
ブラザー工業株式会社
地球のいのちに出会う森
01
多くの人に、地球のいのちに出会い、知って、自分にできることを考えてもらうために。
「地球のいのちに出会う森」。
東山動植物園が掲げるこの言葉には、「珍しい、さまざまな種類の動植物に出会える」という意味だけではなく、その背景にも目を向けて、知ってほしい、という思いが込められています。
動植物たちの故郷、その生育域がどのような状況になっているか。そこに、人間の生活が大きな影響を与えていること。
地球上の動植物がさらされている危機的状況を学び、今の生活を見直すきっかけを、多くの人に届けていきたい。
動物の飼育や植物の生育、保護とともに、動植物に触れることを通して、自然の素晴らしさ、大切さを感じ、「人と自然をつなぐ懸け橋」となる東山動植物園。
持続的に発展できる社会の構築に向け、地球環境に配慮した企業活動を行い、SDGsを推進していくブラザーグループ。
両者の想いと力を合わせ、地球のいのちを守るための活動を行っていくパートナーシップです。
02
園内、園外での広報活動支援。
東山動植物園内では、サイン、ポスター掲出等を通じて、「地球のいのちに出会う森」の言葉、活動をアピール。
園外では、TVCMをはじめとして、新聞広告など、多くの人の目に留まるメディアを活用。
受け皿となる特設HPも開設し、東山動植物園の「種の保存」と「環境教育」を伝える広報を展開しています。
「地球のいのちに出会う森」特設HP
https://higashiyama-action.jp/
03
アジアゾウ出産に関わる広報
2022年、東山動植物園で2例目のアジアゾウ出産というトピックがあり、その広報を行いました。
まず自分事化してもらうため、WEBサイトにてアジアゾウ赤ちゃんの愛称を広く募集。さらに来園者を巻き込むために、園内で投票を実施。
注目度を高めたタイミングで「種の保存」の理解につながる約15分のドキュメンタリー映像を東山動植物園公式Youtubeチャンネルと「地球のいのちに出会う森」サイトにて公開し、東山動植物園の出産にかけた思いを伝えました。
そして、全30段の新聞広告を中日新聞に掲載し、出産を祝うとともに、そのいのちをつないでいくために、野生動物たちが置かれている状況と、人間の影響を知り、自分たちにできることを考えてほしい、というメッセージを発信。
新聞広告と同日に、愛称の命名式イベントも実施しました。
メディアなどの注目を集めるだけでなく、出産と絶滅という強い対比が、多くの人々の心に残りました。
04
コアラの日と、コアラ40周年のPR
東山動植物園の人気動物、コアラ。
2023年に、コアラがはじめて来日した1984年10月25日を記念して、10月25日が「コアラの日」という記念日となりました。その告知とともに、2024年が、コアラが東山動植物園に来園して、40周年となることを全15段の新聞広告として広報しました。
東山動植物園とブラザーとの連携協力は、その1984年から続いています。
当時、オーストラリアから初めて日本に、東山動植物園に来た二頭のコアラのために、ブラザーはコアラ舎の建設費を寄付。2015年には「東山動植物園再生プランに関する連携と協力の協定」を締結し、その支援の一環として学習施設「KOALA FOREST コアラの森」を寄贈しています。
コアラの支援とともに、広報パートナーとして、より東山動植物園の「種の保存」「環境教育」活動の認知を拡げ、地球の今と未来のために、学んで、行動しようとする人が、一人でも多く生まれることを願っています。